検体の取り間違え

これは、私が入院生活を送っていた時の話です。

私は、数年前に原因不明の発熱と全身の倦怠感に悩まされ、検査目的の入院をしたことがあります。当時は、38度の熱が一向に下がらず、食事もろくに取れない状況で非常に苦しかったのを記憶しています。

血液検査をはじめ、様々な検査を受診しました。その結果、大腸内にポリープが見つかりました。医師には、最悪、悪性がんの可能性もあるという説明を受け、検体検査を目的に摘出が必要だと言われました。その後は、医師に言われるままに、ポリ―プ摘出術を受けました。

摘出されたポリープ検査の結果は、悪性がんでした。私は、心の底から失望しました。もう長く生きられないんだ。もっとやりたいことがあったのにと、その日から涙が止まりませんでした。

しかし、不思議なことに数日後に熱が収まり、自身ががんだと言うことを忘れる程、体調は回復したのです。医師や看護師からは、「気のせいだからゆっくり寝ておきなさい」と何度も言われました。

ここから事件は起こったのでした。

ある日の夕方、医師から説明したいことがあると、個室に呼び出されました。個室の扉を開くと、病院長、副病院長、看護部長、検査部長、検査技師が集まっていました。

「検体の取り違えがありました。」病院長からこのような説明を受けたのです。

つまり、検査の過程で、私の検体と別の人の検体が取り違えられていたとのことでした。そして、私の本当の結果は陽性でした。医療事故だったのです。

私は現在、この病院に対し、弁護士と共に訴訟を行っています。悪性がんだと説明を受けたショックが非常に大きかったことと、今後自分のような人を産んで欲しくないという思いからです。